コラム

音楽にまつわるいろんなことを
読み物として載せていきます

音楽史を辿る内容で
お届けしている音楽コラム📮

ロマン派は時代が長く
19世紀ほぼ全般に渡ります
そのためロマン派の中でも
時代区分が分かれます


前回、初期、盛期、後期、世紀末 と
4つに分けてご紹介しましたが
ここでは大きく前期(初期+盛期)と
後期(後期+世紀末)にして音楽的な特徴や
作曲家などを紹介していきます

古典派の終わり頃、ベートーヴェンから
それまで宮廷に支えていた音楽家から
独立したフリーの音楽家に変わっていきました

前期のロマン派の時代からは
これが主流になっていきます

音楽の聴衆も貴族から市民の人たちへ

作曲家が自由に創作をするようになったのに
伴って、曲にタイトルをつける「表題音楽」や
(その前はピアノソナタ⚪︎番、交響曲⚪︎番など
番号や形式の名前がタイトルになるのが主でした)
文学や詩、絵画などからインスピレーションを受けて
作曲されるようになります

同じ時代の詩や文学のテキストを使って
『歌曲の王』と言われ600曲にも
及ぶ歌曲を残しているドイツの作曲家シューベルト、
シューマンも「詩人の恋」などの美しい歌曲を残しています

タイトルがあると、演奏する時にも
イメージが湧きやすいですよね🤗

そしてピアノが改良され、私たちが
使っている現在のピアノの形になったのも
この頃です

音域が増え、強弱もダイナミックに、
ダンパーペダル(音を伸ばすペダル)と
ソフトペダル(音量を小さくできるペダル)も導入され
より豊かで繊細な表現が出来るようになりました
今はピアノを習う人も増えて
一度は触れたことがある、という方が
多いと思いますが
そもそもピアノを家に置く一般家庭が増え、
市民がピアノを楽しむようになったのも
この時代から!

短くて弾きやすい「小品」も
数多く作曲されるようになりました


バッハのマタイ受難曲を復活上演したことでも
有名なメンデルスゾーンの「無言歌集」、
シューマンは[ピアノ][歌][管弦楽や室内楽]
と作曲が3つの時代に分かれていて
「謝肉祭」や「子供の情景」などのピアノの小品

また『ピアノの詩人』と呼ばれたショパンは
改良され表現力が広がったピアノの楽器の魅力を
十分に活かした作品を数多く作曲しました


後期ロマン派になると
さらに音楽の表現が
広がっていきます

そちらについては
次回にまたお届けしますね📬

音楽史を辿る内容で
お届けしている音楽コラム📮

中世→ルネッサンス→バロック→古典派の後は

「ロマン派音楽」


1820年代頃からから1900年代まで
100年弱続きました



この頃の世界はどんな様子だったのでしょうか?🔍

フランス革命や産業革命の後
“ウィーン体制“という国王や貴族が
権力を持つ絶対王政の復活、そこからの
反発で市民から自由主義や
ナショナリズム(国民主義)と
いった考え方が広まりました。


イギリスでは工業が盛んになり蒸気機関車が開発、
エジソンが蓄音機を発明したり
日本ではペリーの来航🚢や明治維新など
世界的にも戦争や革命の多い激動の時代です🌪️


ロマン派の言葉の元は
ヨーロッパに起こった美術・文学・音楽などの
芸術運動のひとつ、ロマン主義から🥀
古典派の形式からより自由に
感情や主観を中心にした、情感溢れる表現で
名前の通りロマンチックな世界観です



音楽以外の分野では、ロマン主義は
1780年代〜1840年頃まででしたが
ロマン派音楽は、1800年代初頭から
1900年代まで長く続いたため
初期、盛期、後期、世紀末
という区分で分けられます

代表的な作曲家たち👥


【初期ロマン派音楽 (1800~30)】

シューベルト

ウェーバー

ロッシーニ

 【盛期ロマン派音楽 (1830~50)】

シューマン

メンデルスゾーン

ショパン


【後期ロマン派音楽 (1850~1890)】

リスト

ワーグナー

ブラームス

【世紀末 (1890~1914)】

マーラー

プッチーニ

R.シュトラウス

そしてロマン派の中で
民族主義的な音楽を作った
「国民楽派」の
作曲家たちもずらり


【ロシア🇷🇺】
ムソルグスキー
リムスキー=コルサコフ
チャイコフスキー

【チェコ🇨🇿】
スメタナ
ドヴォルザーク

【フィンランド🇫🇮】
シベリウス


【ノルウェー🇳🇴】
グリーグ

知ってる名前の人は
どのくらい見つけられたでしょうか?👓


バラエティ豊かなロマン派時代の
作曲家たち!!🎨



音楽の特徴や作曲家をピックアップして
次回もう少し詳しく紐解いていきますね🧵


18世紀末ごろから19世紀初めに
ウィーンを中心に創作された古典派の音楽を
「ウィーン古典派」といいます



その代表的な作曲家が
こちらの3人👇(年代順に並べました)


フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
1732年3月31日 - 1809年5月31日
🇦🇹オーストリア出身
代表曲:交響曲94番「驚愕」、オラトリオ「天地創造」


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
1756年1月27日 - 1791年12月5日
🇦🇹オーストリア出身
代表曲:オペラ「フィガロの結婚」、アイネクライネナハトムジーク、
    きらきら星変奏曲

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
1770年12月16日頃- 1827年3月26日
🇩🇪ドイツ出身
代表曲:交響曲第5番「運命」、エリーゼのために、
    ピアノソナタ「月光」


ハイドンは大貴族エステルハージ家の
宮廷音楽家として仕え
100曲以上の交響曲、80曲以上の弦楽四重奏曲等を
作曲しました。古典派音楽の基礎を築き
交響曲の父、弦楽四重奏の父と
呼ばれています。モーツァルトが25歳
ウィーンに移住した時にハイドンと出会い、
その後親交を深めました

モーツァルトは幼少の頃から
神童と呼ばれ、父と共にヨーロッパの
各地へ演奏旅行で周り、人生の多くを旅に費やしました。
交響曲、協奏曲、室内楽からピアノソナタ、
オペラまで多岐に渡る創作と、
波乱に満ちた人生を送ります
35歳という短い人生を終えたのは
フランス革命が勃発した直後。
ここから時代の雰囲気、価値観も
大きく変わっていきます

そしてその頃からベートーヴェンの活動が
始まりました。古典派音楽の
集大成、そして次に続くロマン派への
橋渡しの存在。モーツァルトとの面識が
あったかどうか、いろんな説がありますが
音楽の影響を強く受けていたことは確かです。
パトロンからの支援を受けながら
今までの雇われの音楽家から
自立したフリーランスの音楽家に。

モーツァルトもそれを目指していましたが
なかなか難しく苦労したようです

時代や社会の変革と共に
この3人の大作曲家が中心となり
古典派の前期〜中期〜後期までを
駆け抜けていきました
そして次のロマン派へと繋がっていきます


音楽史を辿る内容で
お届けしている音楽コラム📮

今回はバロック時代に続く【古典派】
ハイドン、モーツァルトやベートーヴェンなど
音楽史を代表する作曲家たちが活躍し
1750年頃から1820年頃までの期間

バロック時代までは音楽は宮廷や教会で
演奏されていて、王侯貴族のためのものでしたが
この頃のヨーロッパでは産業革命やフランス革命、
アメリカでは独立戦争、など社会的な大きな変革期!



教会の権威や封建的な考えを否定
人間の理性をよりどころにして社会の進歩を
はかろうとする「啓蒙思想」という合理主義の考えが
広まりました。神様、王様中心の考え方(絶対主義)
から、ひとりひとりの人間の持つ力へと
向けられた考え方(人間主義)です

音楽史はその時の社会情勢や
思想と色濃く結びついています

今まで教会や貴族のためのものだった音楽が
市民のためのものへと変わり
一般市民の人たちが楽しめるコンサートや
楽譜の出版など、演奏や楽譜に対して
お金が払われるようになりました📖

宮廷などから依頼された曲を書く職人的な音楽家から
自分の表現したい音楽を作る音楽家へ

それに伴って
親しみやすいメロディー、起承転結のある
変化に富んだ曲の構成、フォルテからピアノなどの
ダイナミックな強弱、曲の流れがはっきりわかる
「和声」や「ソナタ形式」など音楽自体も変化し、
自主コンサートの主催や、沢山の聴衆が楽しめるような
アーティストとしての音楽家が生まれます

子供のための曲集で
“ソナチネ“という名前の曲
いろんな作曲家で耳にしたことがありませんか?
これは小さなソナタ形式、という意味です
ソナチネはこの時代に生まれた音楽の形式なんですね


鍵盤楽器ではチェンバロからピアノフォルテが
生まれ、古典派の時代から
今のピアノの形にだいぶ近づいてきました。
そしてそれ以外にも弦楽器や管楽器なども
より発展し、そのための編成として、協奏曲や、交響曲、
弦楽四重奏、などが盛んになりました

歌劇のオペラの誕生はバロック時代のイタリア。
オペラの序曲を「シンフォニア」といい
これがドイツに渡り、独立して交響曲として発展します
それに大きく関わったのが100曲以上もの
交響曲を作曲したハイドン!
次回は最初に少し触れた古典派を代表する
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに
焦点を当ててお届けします👐


さて、バロック時代まで
辿ってきましたがここで少し
楽器の話を

今みなさんが使っている
ピアノが出来たのはバロック時代の
次の古典派時代頃から

それまでの鍵盤楽器は
ルネサンスにはクラヴィコード、
バロックではチェンバロが主に使われていました

どちらもピアノの元となった楽器ですが
今のピアノの構造や音色とだいぶ違います。

ピアノは弦をハンマーで叩いて音を出し
音域は88鍵(7オクターブと4分の1)
強弱やペダルで音色も変わりますが


【クラヴィコード】

は、タンジェントと呼ばれる金具で
弦をつきあげて音を出します。
音域は3〜5オクターブほど。
強弱は少し出せたようで
ビブラートも(音を伸ばす時に
少し揺らすこと)かけられたようです

【チェンバロ】

(ハープシコード、クラブサン
とも呼ばれます)は、
爪のようなもので弦をはじいて
音を出します。音域は4〜5オクターブほど。
強弱は出せませんが、楽器が装飾的な
デザインのものが多く華やかな見た目です


そしてどちらの楽器も
今よりぐっと音量が小さめです。
実は鍵盤楽器に限らず他の
楽器も今ほど音量が大きくなく
音自体も少し低めだったと言われています

(オーケストラで演奏の前にラの音で
チューニングするピッチは、現在は440Hzですが
この頃は415Hz程だったと言われています)


J.S.バッハやヘンデルなどはこの楽器たちや
オルガンで主に作曲していて
この時代の作品をピアノで弾いてみると
ショパンやシューマン、などのロマン派の音楽とは
曲自体の雰囲気がだいぶ違うなと
感じるのではないでしょうか🪷


現在のピアノの原型は
1709年、イタリアのクリストフォリという人が
作り、音域はまだ5オクターブ〜5オクターブ半ぐらいと
今よりも少し音域が狭く、古典派のハイドンや
モーツアルトはこれを使用して作曲をしていました

その後、改良が重ねられて音域が増えて88鍵になり
よりダイナミックな表現ができるように
なったのはロマン頃から


レッスンでもよく取り上げられる
バッハやモーツアルトも今のピアノと
違う音色だったり音域が違ったりするもので
作曲をしていたと想像しながら
弾いてみると、またその作品を理解する
手助けの一つになるかもしれません🤗


そして今、私たちが使っている
ピアノの音色の豊かさもぜひ
あらためて感じてみてくださいね🎹


4月から音楽のコラムを
始めて2回目
音楽史を辿る内容で
お届けしています📮
今月は【バロック時代】

ひとつ前のルネサンスの時代から
教会のための音楽だったものが
音楽が芸術作品として確立されるようになり
ルネサンスの後期頃からは
音楽が感情表現として用いられるように
なってきました🫀




1600年頃から1750年までの間、
バッハの死までがバロック時代です
バロックとは「歪んだ真珠」という意味の美術用語

ルネサンス時代で重んじられた「均衡」「調和」から
より人間の感情表現を強調した流れになり
名付けられたようです

ここで活躍した有名な作曲家は
バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディー👥


代表曲:
バッハ「主よ人の望みよ喜びよ」  
   「G線上のアリア」
ヘンデル「水上の音楽」
パッヘルベル「カノン」
ヴィヴァルディ「四季」


この時代は、絶対王政、という
貴族や王様が支配する時代👑

フランスのヴェルサイユ宮殿は
それを象徴する建物のひとつ!

豪華で贅沢三昧の王様の娯楽の一つとして
サロンや宮廷で催すイベントのために
作曲家を雇い、作曲家は宮廷音楽家として
仕えていました✍️


その影響で音楽もきらびやかでゴージャス💎
そしてドラマチックな表現!

オペラや協奏曲が生まれたのもこの時代です
弦楽器や管楽器、オルガンや
チェンバロなど、楽器自体の性能もぐっと上がり
楽器のための器楽曲も増えました


バロックでは『通奏低音』と言われる
コード付けのような理論や、
歌と伴奏(和音)というような
『ホモフォニー』と言われる音楽が
作られるようになり、より音楽が
わかりやすく聴けるようになってきます👂
(ホモフォニーの反対はポリフォニーと言い
いくつかのメロディーが重なって生まれる音楽のことで
バロック以前で用いられた方法です)


バロック時代といえば
バッハがもちろん有名ですが

バッハは王様や貴族のための
宮廷音楽の流れとは違い
宗教音楽を中心に作曲しています


現在でも偉大な音楽家として
知られているため
(音楽の父とも呼ばれていますね!)
バロック音楽=バッハと思われがちですが
メインストリームとは別に
ドイツで地道に活動してきた音楽家です

そして、ここからモーツァルト、
ベートーヴェンなど、ドイツ古典派の道を
開いていくのです🌲🌲

昨年度から毎月作曲家を
一人ずつ紹介してきましたが

今年度からは音楽にまつわる
いろんなトピックを取り上げ
コラムとして紹介していきます📕


今月は

【 音楽史ってなあに 】



縄文時代、平安時代、江戸時代、、、

学校で日本の歴史や
世界の歴史を学ぶように
音楽にも歴史があります🗺
その時代によって
社会や風習、国によってもさまざま

今、皆さんが取り組んでいる曲は
どこの国のどの時代のどんな人が
作曲した作品でしょうか?

誕生日が自分と近い
というだけでも
親近感湧きますよね🤗

ピアノを弾くときにその曲の
背景も知れば理解もより深まります👏

何回かシリーズでお届けしますが
今月は全体の時代の区分に
ついて、まずお話していきます🗒

クラシックの音楽史は
大きく6つに分かれます👇

1.古代・中世 (400年頃~1400年) 
2.ルネサンス (1400年頃~1600年頃) 
3.バロック (1600年頃~1750年頃) 
4.古典派 (1750年頃~1820年頃) 
5.ロマン派 (1820年頃~1920年頃) 
6.近代・現代 (1920年頃~)

音楽の始まりは、キリスト教の聖歌
『グレゴリオ聖歌』がクラシック音楽の
始まりと言われています
(日本のお経のようなもの)

この頃は楽器の
伴奏などもなく、歌だけ🗣
そしてそこから、歌に、いわゆる
ハモリ、として音を重ねたり
楽器の伴奏が入って発展していきます

今、使われている五線譜は
まだありませんでしたが
(ドレミファソラシド、も、まだ!)
メモのような楽譜(ネウマ譜)が
あったそうです🗒

中世〜ルネサンスの時代は音楽は祈り🤲

バロック時代に向かって
音楽が作品として捉えられるように
なっていきます

さて、この中で、私たちが
ピアノを学ぶときに
特に知っておきたいのが

🔹バロック
🔹古典派
🔹ロマン派
🔹近代・現代

の、4つの時代区分です

それぞれ代表的な作曲家は
(ロマン派以降は前期と後期に分かれたり
国によって作曲家の特徴も出てきますが)

バロック:J.S バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ
古典派:ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン
ロマン派:リスト、シューマン、ショパン
近代・現代:ドビュッシー、ラヴェル、ガーシュイン


名前、聞いたことある人
いましたか?😊

ピアノという楽器が
出てきたのは古典派頃から🎹


バロック以降の時代を
次回からそれぞれ
楽器、社会、思想、なども
絡めて、取り上げていきますね🔖